【家庭菜園の試練】プランター栽培で新ジャガを!芽出しから病気、そして収穫までの道のり

畑でのジャガイモ掘りの経験はありますが、「自宅のベランダで新ジャガを収穫したい」という衝動に駆られ、去年の暮れからプランターでのジャガイモ栽培に挑戦することにしました。園芸店で相談したところ、「深さのあるプランターなら栽培可能」との心強い回答を得て、早速、深めのプランター、培養土、そして種芋を購入。初期費用を考えると、採算は度外視の大赤字になるのは承知の上でしたが、「自家製新ジャガを食べたい」という食いしん坊な思いが、理性を上回ってしまったのです。
しかし、この手軽だと思っていた家庭菜園は、最初から試練の連続でした。芽出しの深さの悩み、生長後の選定、そして突然の病気の蔓延。半年間の悪戦苦闘の記録と、その結末をお話しします。
試練その一:深すぎる植え付けと「芽が出ない」焦燥
園芸店の店員さんのアドバイスに従い、「できるだけ深く」を意識して、深めのプランターの底から約10センチの場所に種芋を埋めました。毎日せっせと水やりを続け、芽が出るのを心待ちにしていましたが、待てど暮らせど、一向に土の表面に変化はありません。
焦りを感じた私は、急いでインターネットで情報収集を開始。「ジャガイモの種芋は土の表面から8cm程度の深さに植えるのが最適」という情報を発見し、頭を抱えました。「一体、どちらが正解なのか?」と悩みましたが、現実に芽が出ていない以上、浅く植え直すのが得策だと判断。慎重に土を掘り起こし、種芋を取り出しました。
掘り出した種芋をよく見ると、わずかに発芽の兆候が見られ、小さな芽が覗いていました。これを確認し、種芋を表面から約8センチの深さに植え直し、肥料も追肥して様子を見ることにしました。この浅植えが功を奏したのか、しばらくすると、かわいらしい若葉が次々と土の表面から顔を出し、ようやく一安心することができました。
試練その二:茂りすぎた葉の選定と突然の病魔
一度生長が始まると、ジャガイモの生命力は凄まじいものでした。茎も葉もあっという間にわさわさと伸び、プランターからはみ出るほどの勢いです。このまま茂らせておいて良いものか、それとも整理した方が良いのか、再びネット検索に頼ることになりました。
検索の結果、ジャガイモの種芋からは複数の枝が出ますが、そのままにしておくと養分が分散し、小さなジャガイモばかりになってしまうことが判明。そのため、「早いうちに一番太い茎だけを残して、他は間引く(選別する)ほうが良い」という情報を得ました。どれが一番太いか判別が難しいほどの成長具合でしたが、比較的にひょろっとした枝を数本抜き、元気の良さそうなものだけを残す作業を行いました。
しかし、この選別作業の直後から、急に葉が黄色くなる枝が目立ち始めました。調べてみると、これはジャガイモに非常に多い「モザイク病」である可能性が高いことが判明。ウイルスが原因で、土から感染する経路を持つ病気です。この病気は治療が難しく、これ以上感染が広がらないように「根から抜くしかない」という突然の余命宣告を受けてしまいました。
試練その三:全滅寸前からの「子芋」収穫
振り返ってみると、元気に茂っていたジャガイモの枝を、選別のために根元から何本か抜いたことで、その穴から外部のウイルスが侵入し、急激に感染が広がったのではないかと思われました。しかし、今さら後悔しても仕方ありません。私は黄色く病変した葉の枝を次々と抜き取る対策を講じましたが、結局、植えたジャガイモのほとんど全てが葉を黄色く変え、残すべきものがない状態、つまり末期症状に陥ってしまいました。
「半年もかけて全滅とはトホホだ…」と思いながらも、最後の望みをかけて対処法を検索。「モザイク病は葉や茎といった土の上の部分の問題であり、根についているジャガイモは食べられる。病気の拡大を防ぐためにも、早期に収穫するしかない」という情報を得て、全てを掘り起こす決断をしました。
ジャガイモは花が咲いた後に実(芋)が大きくなると言われていますが、私のプランターでは花が咲いたのか咲いていないのかすら確認できませんでした。全く収穫できないのではないか、と不安を抱きながらプランターの土を掘り返すと、ピンポン玉ほどの大きさの子芋が、予想以上にたくさんついていることがわかりました。中には一般的なジャガイモのサイズに育ったものもありましたが、大半はピンポン玉サイズ。それでも、全てをきれいに洗って収穫を完了しました。
小さな勝利:新ジャガのまるごとポテトフライ
収穫したピンポン玉サイズの子芋は、皮をむくとビー玉サイズになってしまいそうだったので、家族に頼んで、きれいに洗ったまま「丸ごとポテトフライ」にしてもらいました。
揚げたてのホクホクとした子芋を食べてみると、これが予想外に美味!採れたての新鮮な新ジャガを丸ごと揚げているため、柔らかく、風味も豊かです。一番大きな数個のジャガイモは、無事に皮をむいて味噌汁の具となり、こちらも美味しくいただくことができました。
結論:プランター栽培の可能性と限界
本来であれば、もっと多くのジャガイモが普通のサイズに育つはずが、私の選別時のミスが原因でウイルス感染を招き、不本意な小粒のジャガイモばかりになってしまったのは反省点です。あのまま選別せずに茂らせていれば、養分が分散して結局子芋ばかりになった可能性も考えられ、その真の結末は、また次の挑戦でしかわかりません。
今回の経験から得られた結論は、**「プランターでのジャガイモ栽培は可能だが、子芋ばかりになる可能性が高い」**ということです。半年もの手間をかけて、結果が子芋ばかりというのは非常に残念な結果でした。次回、再びプランターでジャガイモに挑むかは未定です。今後は、限られたスペースでもしっかりと収穫できる、プランター向きの別の野菜を探して、家庭菜園の挑戦を続けていきたいと思います。

