心と体を癒す、道後温泉ノスタルジック散策記

温泉でリフレッシュ!フルオープンした道後温泉本館へ

最近どうも体の疲れが取れず、心身ともに「ガタがきたかな?」と感じていた私。そんな疲れを癒すべく、四国・松山の名湯、道後温泉へと足を運びました。

今回の訪問の大きな目的の一つが、ついに大規模な保存修理工事を終えてフルオープンとなった道後温泉本館に入ること。その風格ある佇まいは、まさに日本の温泉文化を象徴しているようで、見るだけで歴史の重みを感じます。

お風呂に入るだけなら比較的リーズナブルな料金で楽しめますが、せっかくなので今回は専用個室を湯上がりに利用する、少し贅沢なプランを選択。歴史ある空間でゆったりとくつろぐ時間は、日頃の喧騒を忘れさせてくれる至福のひとときでした。

風情ある街並みと、愛され続ける松山銘菓

温泉街を歩くと、あちらこちらで目にするのが松山の定番土産、一六タルトです。「温泉街を歩けば一六タルトに当たる」と言っても過言ではないほど。個人的には少し甘すぎるかな?と感じるのですが、お土産としてはやはり外せません。ちなみに「一六」という名前は、創業が明治16年であることに由来するそうです。地元の歴史を感じられるネーミングですね。

また、道後温泉の街並みの風情を一層高めているのが、明治・大正時代を思わせるガス灯です。見た目だけかと思いきや、今でも本当にガスが燃えている本物のガス灯なのだとか。夜に出かけると、オレンジ色の柔らかな光が通りを照らし、ノスタルジックな雰囲気に包まれました。その優しい光は、旅人の心を温めてくれるようでした。

坊っちゃん列車とレトロ建築の魅力

道後温泉の街では、SLを模した可愛らしい市電、坊っちゃん列車が走っています。レトロでユニークなデザインは、まるで絵本から飛び出してきたような愛らしさ。残念ながら今回は乗る機会に恵まれませんでしたが、「機関車トーマス」のような親しみやすい雰囲気に、思わずシャッターを切ってしまいました。

さらに、松山の歴史を感じられるスポットとして、洋風建築の萬翠荘(ばんすいそう)にも立ち寄りました。その荘厳な佇まいと厳かな雰囲気は、一歩足を踏み入れると別世界に来たかのよう。昭和天皇がご滞在されたという歴史を持つこの建物は、高貴な方々にとって居心地の良い空間だったのかもしれません。庶民の私としては「ここに泊まったら少し窮屈かも…」なんて思ってしまいましたが、その華麗な建築美は一見の価値ありです。

漱石ゆかりの地で一服:愛松亭の珈琲とマドンナ猫

今回の旅の真の目当ては、文豪・夏目漱石ゆかりの地、愛松亭(あいしょうてい)で過ごす時間でした。実は私、「あいまつてい」と読んでしまいましたが、正しくは「あいしょうてい」だそうです。漱石が下宿していた当時の面影を再現したという店内は、落ち着いた佇まいのお洒落な珈琲店です。

ガラス張りの明るい店内でいただく珈琲は格別。私が注文した「マドンナ珈琲」は、旅の疲れを優しく癒してくれる味でした。

そして、愛松亭のアイドルと言えば、お店のマドンナ猫「マドちゃん」。専用席に陣取るマドちゃんは、最初はこちらを向いてくれない「高嶺の花」を気取っていましたが、そこにオス猫の「坊っちゃん」が近づいてくると、途端にソワソワ。つれない素振りをしながらも、坊っちゃんの存在を気にしているのが伝わってきて、その可愛らしい姿に思わず笑みがこぼれました。

くるりんで旅の締めくくり

旅の終わりに立ち寄ったのは、いよてつ高島屋の屋上にある大観覧車「くるりん」。デパートの屋上に観覧車があるという、どこか昭和レトロな雰囲気が漂いますが、実はこれ、2001年の高島屋増床時に作られた比較的新しいものだそうです。デパートの集客向上の秘策だったとのことですが、「今時これで…」と少し心配になるのも正直なところ。しかし、松山の街を一望できる観覧車からの眺めは素晴らしかったです。

楽しい時間はあっという間に過ぎ去ります。よく考えれば、松山城など、まだまだ見尽くしていないスポットがたくさん残っている四国・松山。今回の滞在で、心身ともにリフレッシュすることができました。

次回は、四国巡礼の旅の途中に立ち寄るなど、また違った切り口で松山を訪れてみたい。そんなことを思いながら、家路についた道後温泉滞在でした。